JAPAS
日本アニマル フィトセラピー学術協会
Japan Animal Phytotherapy Academic Society
MEDICAL HERBS EXAMPLE
ジャーマンカモミール (和名:カミツレ)Matricaria rectita
万能ハーブと言われるカモミール。消炎成分のカマズレンやビサボロールや鎮静作用、鎮痙作用をもたらすフラボノイドのアピゲニンなどが胃腸の不調や皮膚の炎症、不安や冷え性などさまざまなトラブルに効果を発揮します。
その甘い香りはペットにも受け入れられることが多いです。特に繊細でいつも神経を使っている子には好まれるケースが多いように思います。
そのままご飯にふりかけてもOKティーを冷まして飲ませたり、皮膚の痒みに外用として利用することも多いです。アトピーなどで、皮膚トラブルのある子やストレスなどで胃腸のトラブルが多い子におススメのハーブです。
粘膜を保護してくれる作用もありますので、季節の変わり目にお腹の調子を崩しやすい時期にはスリッパリーエルムやオレゴングレープなどとのブレンドを犬のご飯にふりかけて一緒に摂らせています。特に神経性の消化器トラブルの多い方はペパーミントとのブレンドがおススメです。
ダンディライオン(和名:セイヨウタンポポ)Taraxacum officinale
タンポポという名で私たち日本人にも親しまれてきたダンディライオンはお散歩コースのそこここで見かけます。太い根が地球の中心に深くまっすぐに伸び、繁殖力強く世界各国に生息しています。 ビタミンやミネラルなどさまざまな栄養素が豊富に含まれ、伝統医療の中でも古くからナチュラルメディスン(自然薬)として利用されてきました。ダンディライオンは葉部と根部の薬効が異なります。葉は栄養豊富で利尿作用があり、特に富に含まれるカリウムが排尿で失われるカリウムを補いながら利尿してくれるというメリットがあります。根には胆汁分泌を促し、肝臓の強化に役立ちます。投薬の多い子やワクチン・予防薬投与の前後に利用すると肝臓に受けるダメージを最小限に守ってくれます。さらに秋に採集される根部には炭水化物であるイヌリンが豊富に含まれ、腸内環境を整え、便を排出してくれるためデトックスに役立ちます。花にはレシチンが含まれるため、穏やかな鎮痛作用があります。
ホーステール (和名:スギナ)Equisetum arvense
ツクシ誰の子、スギナの子・・・
春一番、道端や野原でツクシが顔を出した後にツクシとは緑色で細く枝分かれしたスギナが栄養茎をのばし、驚くほどの繁殖力で広がっていきます。
ホーステールはケイ素の含有量が高く、骨格筋系や爪・被毛など結合組織の強化に役立ちます。また、フラボノイドやミネラルなどの成分が利尿を促し、クロロフィルが血液をきれいにしてくれます。骨折やねん挫、関節炎のケアなどに、外用での湿布に用います。初夏の頃にたくさん採集しておいて、ハーブボールなどを手作りしてマッサージに利用しています。エキスやチンキ剤を手作り石けんやリンス剤などに利用すると被毛ケアにも役立つでしょう。軽い膀胱炎や尿道炎など泌尿器系トラブルのサポートには内服でマシュマロウとのブレンドティーがおススメです。